定量分析:湿式分析法
開始日:2014/04/01
講座コード M1003
講座の概要
この講座の受講者は機器分析をしている、これから始める人を対象とする実務者を想定しています。検査分析士初級試験の合格者は、上級を目指すための自己研修にも活用できます。
講座は 3 単元から構成され 3 ヶ月で完結します。 1 単元毎に演習問題を解くことにより、理解を確実なものに出来ます。
講師:スペクトル解析支援センター 長谷川秀夫
受講料 16,500 円 検査分析士の方 13,200 円
実施スケジュール 申込は通年で締切は毎月 15 日 講習テキストは次月1日に第 1 回のテキストを配布後、毎月 1 日に 2 回目、3 回目のテキストを配布、 添削 3 回
申し込み方法 http://www.pai-net.or.jp から、又は FAX(03-5294-3344)でお申し込みください。
検査分析士の方は、会員番号を備考としてご明記ください。
受講料 16,500 円 (検査分析士の方は 13,200 円)はお申し込み後、下記へお振り込みください。
振込先:三井住友銀行神田支店(219)2116823(普通)特定非営利活動法人分析産業人ネット宛
:ゆうちょ銀行(金融機関子コード 9900)店番 019 店名 0一九店(ゼロイチキュウ店) 当座預金 0334624
または:郵便振替口座 00170-9-334624 PAI-NET 宛て
振込み手数料はご負担ください。
スペクトル解析支援センター Ph.D.長谷川秀夫
本講座の主旨
本講座では、定量分析法の基盤である湿式分析法について解説を加えながら詳しく述べる。
その目的は、湿式分析での原理・現象の基本的な意味を理解し、信頼性ある測定値を得ることである。
本講座は 3 回;3 単元によって構成され、分析を行う過程で行われるさまざまな操作の基本的な意味について実例を示し、試験・検査要員及び開発研究者向けの実務に活用できるようになっている。また、重要なポイントについては、演習問題とその添削を通じて理解し、確認することができる。
第1単元
1. 分析のプロセス
はじめに
1.1 分析法の選定
1.2 分析プロセスの規格・標準化及び記録
1.3 試料のサンプリング(Sampling)
1)均一性が予測される試料のサンプリング
2)ランダムサンプリング(Random Sampling)
事例:配合された試料の均一性を調べる場合
事例:製造原料の含有量を調べる場合など
3)系統的サンプリング(Systematic Sampling)
1.4 試料調製(前処理)(Pretreatment)
1.4.1 灰化と湿式分解
(1)乾式灰化
(2)湿式灰化と湿式分解
1.4.2 分離・濃縮(Separation,Enrichment)
(1)絶対的濃縮法(Absolute Enrichment)
(2)相対的濃縮法(Relative Enrichment)
(3)選択的濃縮法 (Selective Enrichment)
事例:生体・天然物試料の試料処理
2. 定量分析(Quantitative Analysis)―湿式分析法(Wet Analysis)―
解説 1) 定量分析(Quantitative Analysis)
解説 2) 水溶液の性質・特性
2.1 容量分析法(Volmetric Analysis)-滴定法(Titration)-
2.1.1 容量分析法に適用できる化学反応
2.1.2 反応の種類
2.1.3 終点の検出
2.1.4 滴定曲線(Titration Curve)
2.1.5 滴定による定量への流れ
2.1.6 標準液の調製と標定
2.2 滴定の操作と計量器
< 化学用体積計の使用公差 > 解説)計量器の公差(Tolerance)
【 演習問題 】;5 題
第 2 単元
1. 濃度の計算
2はじめに
1.1 モル数の計算
1.2 濃度の計算
1.3 酸塩基滴定(Acid-base Titration)-中和滴定(Neutralization Analysis)―
<酸・塩基の概念(Arrhenius 説)>
・酸塩基滴定(中和滴定)の 1 例
1.4 沈殿滴定(Precipitation Titration)
・沈殿滴定の 1 例
1.5 キレート滴定(Chelatometric Titration)
・キレート滴定の 1 例
1.6 酸化還元滴定(Redox Titration)
<酸化・還元の定義>
・酸化還元滴定の 1 例
2. 重量分析法(Gravimetric Analysis)
2.1 重量分析の操作
2.2 重量分析の実例
・重量分析の 1 例
3. 測定値と分析値
3.1 測定値の表記
3.1.1 有効数字・精度(有効桁数)
3.1.2 表記事例
3.2 測定値から分析値へ
4. 質量の単位と物質量(モル)
5. 濃度の単位
6. 信頼性ある定量値を得るために
これだけは知っておきたい濃度調整のポイント
6.1 2 種類の溶液を混合する場合
6.2 基本単位
6.3 有効数字の取扱事例
<たん白質の定量>
【 演習問題 】;5 題
第 3 単元
信頼性ある定量値を得るために;
これだけは知っておきたい測定のポイント
1. pH 及び pH メータの基礎知識
1.1 pH とは
1.2 酸性とアルカリ性
1.3 緩衝液(Buffer solution)・緩衝作用(Buffer action)
1.4 ガラス電極 pH 計
1.4.1 原理
解説 pHの定義
1.4.2 構成
(1) 検出部
(2) 増幅部
(3) 表示部
1.4.3 事例 pH メータの校正
2. 試薬の管理
2.1 試薬の品質に関する事項
2.1.1 規格と製造ロット
2.1.2 分析に対する妨害不純物の確認方法:ブランク試験
2.2 試薬の安全性に関する事項
2.2.1 試薬の保管管理
2.2.2 危険・有害性試薬の取扱い及び管理
3. 測定値の信頼性の確保
3.1 精度の評価
(1) 真度(正確さ)(Trueness(Accuracy))
(2) 精度(Precision)
(2-1) 併行精度(Repeatability)(Intra-assay)
(2-2) 室内再現精度(Intermediate Precision)
(2-3) 室間再現精度(Reproducibility)
3.2 認証標準物質
3.3 信頼性の検証:分析法バリデーション
< 分析法のバリデーションに必要とされる要素 >
① 同定及び選択性・特異性の確認(Specificity)
<選択性・特異性の確認方法の事例>
② 感度・検出限界(Detection Limit)
<感度・検出限界評価方法の目安>
<検出限界設定の目安>
③ 定量限界(Quantitative Limit)
<定量限界設定方法の事例>
<定量限界設定の目安>
④ 検量線の実用範囲(Range)
<実用範囲設定の目安>
⑤ 検量線の直線性(Linearity)
<直線性評価方法の事例>
⑥ 精確さ-真度(Accuracy)及び精度(Precision)
<評価の目安>
⑦ 堅牢性〈頑健性〉(Robustness)
<堅牢性確認項目の事例>
⑧ 回収率(Recovery)
<回収率の標準的な算出方法の事例>
4. レポート
5. 分析機器に関する記録の管理
① 装置に関する情報管理
② 保守管理:点検整備記録項目
【参考資料】
GHS に準拠した危険有害性項目及び対応する絵表示
【 演習問題 】;6 題