光を用いた分析法の実務
開始日：2014/04/01
新規
講座コード M1004
講座の概要
この講座の受講者は機器分析をしている、これから始める人を対象とする実務者を想定しています。検査分析士初級試験の合格者は、上級を目指すための自己研修にも活用できます。
講座は 3 単元から構成され 3 ヶ月で完結します。 1 単元毎に演習問題を解くことにより、理解を確実なものに出来ます。
講師：スペクトル解析支援センター 長谷川秀夫
受講料 16,500 円 検査分析士の方 13,200 円
実施スケジュール 申込は通年で締切は毎月 15 日 講習テキストは次月１日に第 1 回のテキストを配布後、毎月 1 日に 2 回目、3 回目のテキストを配布、 添削 3 回
申し込み方法 http://www.pai-net.or.jp から、又は FAX（03-5294-3344）でお申し込みください。
検査分析士の方は、会員番号を備考としてご明記ください。
受講料 16,500 円（検査分析士の方 13,200 円） はお申し込み後、下記へお振り込みください。
振込先：三井住友銀行神田支店（219）2116823（普通）特定非営利活動法人分析産業人ネット宛
：ゆうちょ銀行（金融機関子コード 9900）店番 019 店名 ０一九店(ｾﾞﾛｲﾁｷｭｳ店) 当座預金 0334624
または：郵便振替口座 00170-9-334624 PAI-NET 宛て
振込み手数料はご負担ください。
スぺクトル解析支援センター Ph.D.長谷川秀夫
本講座の主旨
本講座は、計測機器のブラックボックス化、測定値のデジタル化に対応して、信頼性ある測定値を得るための実務講座である。
本講座では、光を用いた分析法について解説を加えながら詳しく述べる。その目的は分光法での原理・現象の基本的な意味を理解し、信頼性ある測定値を得ることである。
本講座は 3 回；3 単元によって構成され、特に測定時の要点は「これだけは知っておきたい分光分析のポイント」としてまとめ、また「分析機器の消耗部品の取り扱いの管理」など具体的に示してあるので試験・検査要員及び開発研究者向けの実務に活用できるようになっている。
また、重要なポイントについては、演習問題とその添削を通じて理解し、確認することができる。
第１単元
1. 分析のプロセス
はじめに
1.1 分析法の選定
1.2 分析プロセスの規格・標準化及び記録
1.3 試料のサンプリング（Sampling）
1)均一性が予測される試料のサンプリング
2)ランダムサンプリング（Random Sampling）
事例：配合された試料の均一性を調べる場合
事例：製造原料の含有量を調べる場合など
3)系統的サンプリング（Systematic Sampling）
1.4 試料調製（前処理）（Pretreatment）
1.4.1 灰化と湿式分解
(1)乾式灰化
(2)湿式灰化と湿式分解
1.4.2 分離・濃縮（Separation,Enrichment）
(1)絶対的濃縮法（Absolute Enrichment）
(2)相対的濃縮法（Relative Enrichment）
(3)選択的濃縮法：Selective Enrichment
事例：生体・天然物試料の試料処理
2. 測定とデータ解析及び評価・検証
＜ 定量分析（Quantitative Analysis）＞
2.1 検量線
2.1.1 絶対検量線法（Absolute Calibration Method）
2.1.2 内部標準法（Internal Standard Method）
2.1.3 標準添加法（Standard Addition Method）
2.2 測定値の信頼性の確保
2.2.1 精度の評価
(1) 真度（正確さ）（Trueness（Accuracy））
(2) 精度（Precision）
(2-1) 併行精度（Repeatability）（Intra-assay）
(2-2) 室内再現精度（Intermediate Precision）
(2-3) 室間再現精度（Reproducibility）
2.2.2 認証標準物質
2.2.3 信頼性の検証：分析法バリデーション
＜分析法のバリデーションに必要とされる要素＞
① 同定及び選択性・特異性の確認（Specificity）
② 感度・検出限界（Detection Limit）
③ 定量限界（Quantitative Limit）
④ 検量線の実用範囲（Range）
⑤ 検量線の直線性（Linearity）
⑥ 精確さ－真度（Accuracy）及び精度（Precision）
⑦ 堅牢性〈頑健性〉（Robustness）
⑧ 回収率（Recovery）
2.2.4 レポート
【 演習問題 】；5 題
第２単元
1. 発光と吸光
1.1 はじめに
1.2 光の性質
1.3 光の吸収と放出（発光）
1.4 分子のエネルギー状態
2. 紫外・可視吸光光度法
2.1 はじめに
2.2 物質の濃度と光吸収の関係
2.3 吸光光度法
2.4 信頼性ある定量値を得るために；
これだけは知っておきたい分光分析のポイント
＜ 吸光光度法の基礎知識 ＞
2.4.1 吸光光度法による定性・定量分析法の概要
2.4.2 光吸収と色
2.4.3 吸収スペクトル法による定性分析法（同一性確認）
1) 標準品・予め純度が定められた参照試料との比較による方法
2) 特定の 2 波長以上の計測点における吸光度の比の比較による方法
2.4.4 吸収スペクトルによる定量分析法
＜ 光特性及び吸光光度法の原理 ＞
＜実用的な濃度の表し方の事例＞
(1)比吸光度：E1％1cm
(2)分子吸光度：E
2.4.5 吸収スペクトルの測定原理と吸光光度測定装置
＜溶液の吸光度・吸光スペクトルの測定＞
＜試料溶液が懸濁している場合の吸光度測定の問題点＞
(1) 試料溶液（試料セル）および対照の溶媒（対照セル）とも透明の場合
(2) 試料側の溶液が懸濁している場合
2.4.6 光源（ランプ）
1) 分光計で測定されるスペクトルの波長と強度
2) 事例；吸光光度計における波長の校正
＜校正値の目安＞
＜ 消耗部品の取り扱いと管理に関する事例 ＞
分析機器の消耗部品の取扱いと管理
3) 分光計の光源ランプ
(1)重水素ランプ
① 構造
② 動作原理
③ 光源ランプの寿命
(2)キセノンランプ
① 構造
② 動作原理
③ 光源が安定するまでの時間
④ 光源出力強度およびランプの寿命
⑤ キセノンランプの使用上の注意
2.4.７ 分光セル
1) 石英・ガラスの光透過率
2) 容器素材（石英・ガラス）の物理・化学的特性およびその取扱い
3. 蛍光分析法
3.1 蛍光現象及び分析の原理
3.2 信頼性ある定量値を得るために；
これだけは知っておきたい分光分析のポイント
＜ 蛍光光度法の基礎知識 ＞
1) 蛍光光度法による定性・定量分析法の概要
2) 蛍光スペクトルと蛍光強度
(1) 蛍光光度計の原理・構造
(2) 蛍光スペクトル
(3) 蛍光強度
(4) 励起スペクトル
4. 赤外吸収分光法（Infrared Spectroscopy）
4.1 はじめに
4.2 特性吸収帯
4.3 装置
4.4 試料と赤外吸収スペクトル
4.5 赤外線吸収スペクトル法による確認試験
5. ＨＰＬＣ用検出器
5.1 紫外・可視吸光検出器（UV/VIS Absorption Detector UV-VIS）
5.2 蛍光検出器(Fluorescence Detector FLD)
5.3 示差屈折率検出器(Differential Refractive Index Detector RID)
【 演習問題 】；5 題
第 3 単元
原子スペクトル分析法
1. 原子スペクトルの性質
2. 炎光分析法（Flame Spectrometry）
3. 原子吸光分析法（Atomic Absorption Spectrometry）
3.1 原子吸光分析装置と検出限界
3.2 信頼性ある定量値を得るために；
これだけは知っておきたい原子スペクトル分析法のポイント
＜ 原子吸光分析法の基礎知識 ＞
(1) 原子吸光分析法における干渉成分及び干渉防止剤
(2) 容器素材（石英・ガラス）の物理・化学的特性およびその取扱い
(3) 蒸留水，酸およびアルカリ耐性の目安
4. ICP 発光分析法（ICP Atomic Emission Spectrometry）
4.1 はじめに
4.2 ICP 光源の構造とプラズマ発生機構
4.3 ICP 装置
1）逐次分析用装置（シーケンシャル ICP 発光分析装置）
2）多元素同時 ICP 発光分析装置
4.4 試料導入部
4.5 分光システムと光学配置
4.6 分光器
4.7 光検出器
4.8 分析法としての特長と分析操作
4.9 測定条件と干渉
(1) 分光干渉
(2) 物理干渉
5. 定量法
(1) 検量線法
(2) 内部標準法
(3) 標準添加法
＜分光法から質量分析法へ＞
6. 基本単位
【 演習問題 】；5 題
