資格認定基準
資格は機器分析の実務能力を習得している知識、技術のレベルにより、初級、中級、上級、特級の4段階のランクで評価します。
検査分析士資格では科学技術の知識を必要としますが、その実務は芸の道に通じる経験が必要です。
初級、上級、特級は世阿弥のいう「守、破、離」:最初は基本を「守り」次に基本を「破り」 最後に基本から「離れる」という日本古来の芸の道を究める手順をイメージしています。
資格認定は職務能力に応じて初級、上級、特級の3段階に分けて行います。
1.初級資格:専門的な経験を問わないエントリー資格
初級資格は実務的な能力として「与えられた機器分析の課題について、機器分析の定められたプロセス(SOP)に沿って分析の操作が一通り出来る」ことが基準です。
試験の出題範囲は受験希望者に配布する「資格試験テキスト」の範囲で、90分の試験時間で4択選択問題50問を回答します。初級資格試験は年一回の全国6都市(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡)開催する一斉試験の他に試験管を派遣して行う団体試験があります。
2.中・上級資格:機器分析を行う実務家を対象として、専門能力を問う資格(2024年8月9日更新)
資格の基準は、「与えられた機器分析の課題の意味を理解し、自らの専門とする分析手法を用いて分析を行うことができる」。
ことです。課題の解決のために最適な分析手法を選択できる技術は問いませんが、自らの専門とする分析手法についてSOPを作成できることが臨まれます。
中級資格は1つの分析手法について一定の専門知識と実務経験を持っていることが資格取得の条件です。
上級資格では少なくとも2つ以上の手法について一定の専門知識と実務経験を持っていることが資格取得の条件です。
試験は4択選択問題による基礎的な知識を問う試験(90分)と記述式の専門的な知識と経験を1つまたは2つの手法について問う論述試験(中級60分/上級120分)で行います。また、技能については実務経験や同種資格の保持についての書類選考で行います。
筆記試験及び書類選考で一定の成績を収めた方を対象に面接審査を行い、合否を判定します。論述問題は、2問出題します。
上級受験者で論述式問題二科目のうち一科だけの合格者は「中級検査分析士」となります。
3.特級資格 問題解決をはかる実務能力を問う資格。(2022年1月28日更新)
受験は上級検査分析士の資格者を対象とします。3つの課題についての論述問題と面接で行います。問題解決をはかる実務能力として機器分析の継承のために必要な「分析対象に対する分析手法の位置づけ」や「組織における機器分析の果たすべき機能」等、「後継者への指導」や「初心者向けの指導や啓蒙」、「関連組織との調整」等にあたり必要な見識をもっているかを問います。